yahooニュース、慣れない将棋を例えに使って自爆したのではと将棋ファンの間で話題に。
Twitterを覗いていたらyahooニュースの記事が話題になっていたので興味本位で覗いてみたら、将棋の世界ではありえない手順の局面を例に使って政治的な話を解説している記事がありました。
その記事がこちら。
「桜を見る会」前夜祭、安倍首相説明の「詰み」を盤面解説(郷原信郎) - Y!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20191127-00152611/
以下はこの記事中の盤面についてちょっとだけ語っていきます。
「桜を見る会」追求からの流れを示した詰将棋がありえないと話題に
内容としては「桜を見る会」の追求が始まった時点から局面を作って詰将棋として例えているのですがその内容が明らかに将棋として不適なので、将棋ファンの間で話題になっています。
というよりひと目でありえなさすぎて「どうすれば詰将棋として成立させられるか?」や「こう解釈すれば良いのではないか?」という大喜利が始まっているもよう。
実際の局面図はこちら。
元の図では、攻め方の香車が政治資金規正法違反、飛車が公選法違反。
玉方の銀がニューオータニ、玉が安倍首相、金が安倍後援会として作られています。
で、実際に起こった動きに合わせて駒を動かしていく記事だったのですが、最後の締めの直前でありえないことが起こります。
が、その問題のシーンの局面図はなく、その直前とその次の手の局面図で終わっているため、将棋に詳しくない方はこの記事の詰将棋が「詰将棋としてはありえない」ということに気づかずに読み進めてしまっているようです。
玉方の反則手とそれを無視して進める攻め方。
そのありえない局面図がこちら。
要約すると、この局面で(6七のこの位置に逃げた)玉の逃げ方が悪手だったので次に6六金で詰み!と解説しています。原文でも言っているとおり、金を玉でとっても香車で玉を取られてしまうのでたしかに最後は詰んでいます。
が!この局面図、将棋を指せる人がみたら違う画が浮かぶはずなんですよね。
将棋を指せる人が見た場合のこの局面図はこうなるはずです。
金で王手をかけて詰ます以前に、この時点で
「香車で玉を取れます」
反則で終わっているので詰将棋とは呼べないのでは
というわけで、わざわざ金で王手をせずとも香車で玉が取れてしまうので、玉をここに逃げた時点で反則手です。この時点で詰将棋としてはおかしいので、話題になっていました。
ですが、本文中でも「将棋の盤面」の喩えで考えると言ったり、詰みということばを何度か使ってはいるものの「詰将棋」とは実は1回も言っていません。
記事内を検索してみても過去に同じ方が書いた記事のタイトル中に"詰将棋"が含まれているだけです。なので詰将棋ではなくあくまで盤面での喩えです。
詰将棋ではないのですから、詰将棋としては成立していなくても問題ありません。
それにもしかしたらこの喩えは、悪手どころか反則手を相手が指しているのに気づかずにスルーしてしまった攻め方を遠回しに揶揄する記事なのかもしれません。
真相は私にはわかりませんが。